兵庫県では、令和7年(2025年)3月24日から、マイナンバーカードと運転免許証を一体化した「マイナ免許証」が導入されました。
従来の免許証と併用するか、マイナンバーカードだけで免許証として使える仕組みで、どこで手続きできるのか、必要な書類や費用、予約方法など、運用の実際を詳しく整理しました。
この記事では、兵庫県内の対応窓口から手続きの流れまで、読者の疑問を詳しく解説します。
1. マイナ免許証とは?
- 定義と背景
「マイナ免許証」とは、マイナンバーカードに運転免許のIC情報を記録し、一体化した電子免許証のことです。令和7年3月24日から兵庫県でも運用が開始されました。 - 選べる所有スタイル
運転免許を以下の3つのスタイルから選択できます。
- マイナ免許証のみ
- 従来の免許証と併用(2枚持ち)
- 従来の免許証のみ。
2. 手続きできる場所は?
マイナ免許証の手続きは、兵庫県警が指定する運転免許更新センターや一部の警察署に限られています。
ただし「誰でもどこでもOK」ではなく、居住地・住所の管轄・持参物の有無によって利用可能な窓口が異なるのがポイントです。ここでは、地域ごと・条件ごとに整理して解説します。
2-1. 大規模拠点:県内全域から利用可能な更新センター
- 明石運転免許更新センター
兵庫県内最大の拠点で、ほぼ全ての更新手続きに対応。
マイナ免許証の導入後も、最も多くの利用者が集まる場所。 - 阪神運転免許更新センター(尼崎市)
阪神間在住者がアクセスしやすい拠点。大阪方面からの利用者も多い。 - 但馬運転免許センター(朝来市)
北部但馬地域の中心的窓口。遠方からの移動が必要な方は、事前予約が必須。
2-2. 特定条件に対応する優良・高齢者向けセンター
- 神戸優良・高齢運転者運転免許更新センター
- 姫路優良・高齢運転者運転免許更新センター
これらは名前の通り、優良運転者(ゴールド免許)または高齢者講習修了者が主な対象。
「通常の違反者講習や初回更新者」などはここでは手続きできないため注意が必要です。
2-3. 警察署で手続きできるケース
一部の警察署(相生・赤穂・宍粟・洲本・南あわじなど)でもマイナ免許証の手続きが可能です。
ただし次の条件があります。
- 管轄住所内に住民票がある人のみ
- 更新対象が優良運転者・高齢運転者に限られることが多い
「便利だから隣の市の警察署に行こう」という使い方はできません。
2-4. 利用窓口を決めるチェックリスト
自分がどこで手続き可能かを判断するために、次のポイントを確認しましょう。
- 更新はがきの記載場所 → 優良講習か違反講習かで利用できる窓口が変わります
- 住民票の住所 → 警察署利用の場合は住所地に限定
- アクセスの利便性 → 土日開設の有無や、駐車場の有無も事前に確認
- マイナンバーカード持参の可否 → 忘れると通常免許証更新に切り替わる
2-5. まとめ
- 大規模センターは「誰でも利用可能」だが混雑しやすい
- 優良・高齢者センターは「対象者限定」
- 警察署は「管轄住民かつ対象者限定」
3. 手続きの流れ

マイナ免許証の取得・更新は、従来の免許更新に「マイナンバーカードの確認・紐づけ」が加わるだけでなく、当日の動線や受付手順が少し特殊です。
ここでは「朝、センターに到着した瞬間から、新しいカードを受け取るまで」を段階ごとに解説します。
3-1. 来場前の準備とチェック
- 更新はがきの確認
更新対象者には、事前に「運転免許更新のお知らせはがき」が届きます。このはがきに「優良」「一般」「違反」など区分が書かれており、どの講習を受けるか、どの窓口を使えるかが決まります。 - 持ち物の最終チェック
- 運転免許証
- マイナンバーカード(ICが読み取れる状態)
- 暗証番号(署名用電子証明書を利用する場合)
- 手数料(現金または指定の支払方法)
3-2. 窓口到着~受付
- 到着・整理券受け取り
Web予約をしている場合は、受付でQRコードや予約番号を提示。予約なしの場合は「当日受付番号」を受け取り、待機列に並びます。 - 書類確認
- 運転免許証とマイナンバーカードを提出
- 更新はがきの記載内容と本人の区分(優良・違反など)を確認
3-3. 視力検査・適性検査
- 従来と同様に、視力検査(必要に応じて深視力)を実施。
- 合格しなければ更新不可なので、事前に眼鏡・コンタクトを忘れずに。
3-4. 写真撮影
- マイナ免許証用の顔写真をセンターで撮影。
- マイナンバーカードにすでに顔写真があるため、「免許証用写真」と「マイナンバーカードの顔写真」が異なる場合でも問題なし。ただし、本人確認のため照合は行われます。
3-5. 講習受講
- 区分ごとに異なる講習を受けます。
- 優良運転者:30分
- 一般運転者:60分
- 違反運転者:120分
- 高齢者は、事前に受講済みの「高齢者講習」の修了証明が必要です。
3-6. マイナンバーカードとの連携処理
ここが従来と異なるステップです。
- マイナンバーカードを専用端末に読み取り
- 運転免許証のIC情報を記録し、電子的に「マイナ免許証」として機能するように設定
- 暗証番号を入力して本人認証を完了
この処理により、マイナンバーカードがそのまま運転免許証として使える状態になります。
3-7. 手数料の支払い
- マイナ免許証のみ:2,100円
- 従来免許証と併用:2,950円
- 再記録(カード更新時):1,500円
支払い後、交付準備に入ります。
3-8. 交付・完了
- 新しい「マイナ免許証」が有効化され、その場で利用可能に。
- 従来免許証も希望すれば併用で発行されます。
- 古い免許証は原則回収されますが、「経歴証明書」用途などで希望すれば返却対応あり。
3-9. 手続き全体の所要時間
- 優良運転者の場合:約1時間半前後(受付~交付まで)
- 違反講習の場合:最大3時間程度
- 混雑時はさらに時間が延びるため、余裕を持って来場することが重要です。
4. 必要な書類・費用一覧
項目 | 内容 |
---|---|
必要なもの | ・ 有効な運転免許証 ・ 有効なマイナンバーカード(IC読み取り可能) ・ 署名用電子証明書の暗証番号(マイナポータル連携希望時) |
手数料 | ・ マイナ免許証のみ:2,100円 ・ 従来免許証と両方:2,950円 ・ 再記録(新カードへの引き継ぎ):1,500円 |
注意点 | ・ マイナンバーカード有効期限 ・ICチップの状態要確認 ・ 署名用電子証明書の有効期限が切れている場合、各種オンラインサービスには利用不可 |
5. 予約方法と注意点
・Web予約の流れ
オンラインで希望日時を登録し、受付画面のQRや受付番号を保存・提示します。
・予約不要のケース
免許証のみ更新する場合
高齢者講習済でマイナ免許証希望者
更新期間前の更新、他県からの手続きなど。
・マイナンバーカード更新時の注意
更新後の新カードには免許情報が引き継がれません。再記録を希望する場合は1,500円必要で、予約不要で 対応可能です。
6. よくある疑問(Q&A)
Q1. 姫路市や尼崎市など市役所では手続きできませんか?
A. 各市役所では手続きできず、必ず県警の更新センター・警察署へ行ってください。
Q2. 署名用電子証明書の期限切れでもマイナ免許証取得できますか?
A. 取得自体は可能ですが、オンライン更新や各種サービスの利用は制限されます。
Q3. マイナンバーカード更新後に免許情報を移したい場合は?
A. 再記録手数料1,500円が必要です。予約不要で窓口で手続き可能です。
Q4. Web予約サイトに入力したカタカナやローマ字に注意点はありますか?
A. 機種依存文字を避け、正確に入力してください。入力誤りや不正登録には厳しい制限があります。
✅参考サイト
兵庫県公式ホームページ
7. まとめ
兵庫県で導入された「マイナ免許証」は、従来の免許更新にマイナンバーカードの活用を組み合わせた新しい制度です。ポイントを整理すると以下の通りです。
✅ 要点まとめ
手続き場所:
- 大規模センター(明石・阪神・但馬など)
- 優良・高齢運転者向けセンター(神戸・姫路)
- 一部の警察署(住所地限定)
必要書類:運転免許証、マイナンバーカード、暗証番号(署名用電子証明書)、更新はがき
費用:
- マイナ免許証のみ → 2,100円
- 両方(免許証+マイナカード) → 2,950円
- 再記録(カード更新時) → 1,500円
当日の流れ:
- 受付・書類確認
- 視力検査・写真撮影
- 講習(30〜120分)
- マイナンバーカード連携処理
- 手数料支払い・交付
注意点:
- マイナンバーカードの有効期限・暗証番号の確認必須
- 住民票の住所地によって利用できる警察署が限られる
- 混雑時は所要時間が長引くため、余裕を持って行動
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