マイナンバーカードをマイナ保険証として使えば、医療機関や薬局で過去の薬剤情報を確認できます。そのため「もうお薬手帳はいらないのでは?」と思う方もいるでしょう。
しかし、マイナ保険証だけでは、お薬手帳に記録できるすべての情報を補えません。安全に薬を使用するためには、現時点では両方を併用するのがおすすめです。
- マイナンバーカードがあってもお薬手帳が必要な理由
- マイナ保険証で確認できる薬剤情報
- お薬手帳に記録しておきたい情報
- お薬手帳を忘れたときの対処法
- 紙と電子版お薬手帳の選び方
結論:マイナ保険証があってもお薬手帳は必要

マイナンバーカードがあればお薬手帳はいらない、というわけではありません。
マイナ保険証を使い、本人が情報提供に同意すると、医師や薬剤師はオンライン資格確認等システムを通して薬剤情報を確認できます。別の医療機関や薬局で処方された薬を把握しやすくなり、重複投薬や飲み合わせの確認に役立ちます。
一方、お薬手帳には市販薬やサプリメント、アレルギー、副作用、薬を中止した理由なども記録できます。こうした情報はマイナ保険証の薬剤情報だけでは十分に分からないため、両方を使うことで安全性が高まります。
| 比較項目 | マイナ保険証 | お薬手帳 |
|---|---|---|
| 医療機関・薬局で処方された薬 | 本人の同意により確認可能 | 調剤内容を記録可能 |
| 市販薬・サプリメント | 原則として確認できない | 自分で記録できる |
| アレルギー・副作用歴 | 薬剤情報だけでは把握しきれない | 詳しく記録できる |
| システム障害・停電時 | 確認できない場合がある | 紙ならその場で提示できる |
マイナ保険証で確認できる薬剤情報
マイナ保険証の受付時に薬剤情報の提供へ同意すると、対応する医療機関や薬局の医師・薬剤師が、過去に保険診療で処方・調剤された薬剤情報を確認できます。
確認できる主な情報
- 処方・調剤された薬の名称
- 投薬された時期
- 用量や日数などの情報
- 複数の医療機関・薬局で処方された薬剤情報
自分の薬剤情報は、マイナポータルからも確認できます。初めて受診する病院や、複数の薬局を利用している場合にも役立つ仕組みです。
電子処方せんとの違い
マイナ保険証は本人確認や保険資格の確認、医療情報の共有に使用するものです。電子処方せんは、処方せんの情報を電子的に登録・共有する仕組みであり、同じものではありません。
電子処方せんに対応する医療機関・薬局では、直近の処方・調剤情報を活用して重複投薬や併用禁忌を確認できます。
お薬手帳に記録できる大切な情報
お薬手帳の強みは、処方薬の記録だけでなく、服薬に関する個別の事情をまとめられることです。
| 記録しておきたい情報 | 記録する理由 |
|---|---|
| 市販薬・サプリメント | 処方薬との飲み合わせを確認してもらうため |
| アレルギー | 使用を避けるべき薬や成分の判断に役立てるため |
| 過去の副作用 | 同じ薬や類似薬による再発を防ぐため |
| 服用を中止した薬と理由 | 体に合わなかった薬を医師・薬剤師へ伝えるため |
| 実際の服用状況 | 飲み忘れ、減量、中断などを正確に共有するため |
| 医師・薬剤師への相談事項 | 次回の受診や服薬指導で確認するため |
特に市販薬や健康食品を日常的に使用している方、複数の診療科に通っている方、過去に薬で強い副作用が出た方は、お薬手帳へ記録しておくことが大切です。
マイナ保険証とお薬手帳の使い分け
マイナ保険証とお薬手帳は、どちらか一方を選ぶものではありません。それぞれの得意分野を生かして併用しましょう。
顔認証付きカードリーダーで本人確認を行い、薬剤情報の提供に同意します。
紙または電子版のお薬手帳を提示し、市販薬や副作用歴なども伝えます。
薬局でもらったシールを貼るか、電子版お薬手帳へ調剤情報を登録します。
医療機関ごとに手帳を分けず、服薬情報を一元管理します。
紙と電子版はどちらがいい?
| 種類 | 向いている人 | 注意点 |
|---|---|---|
| 紙のお薬手帳 | スマートフォン操作が苦手な人、災害時にもすぐ提示したい人 | 忘れたり紛失したりする可能性がある |
| 電子版お薬手帳 | スマートフォンで管理したい人、家族の情報もまとめたい人 | 充電切れや通信・端末トラブルに備える必要がある |
電子版を選ぶ場合は、厚生労働省のガイドラインに沿ったサービスか、マイナポータルと連携できるかなどを確認しましょう。
お薬手帳を忘れた・持っていないとき
お薬手帳を忘れても、通常は受診や処方薬の受け取り自体ができなくなるわけではありません。受付や薬剤師に「お薬手帳を忘れた」と伝えましょう。
- マイナ保険証を利用し、薬剤情報の提供に同意する
- マイナポータルで自分の薬剤情報を確認する
- 使用中の市販薬やサプリメントを口頭で伝える
- 薬の現物、写真、処方内容が分かる書類があれば見せる
- アレルギーや過去の副作用を必ず伝える
- 今回の調剤内容を受け取り、帰宅後にお薬手帳へまとめる
マイナ保険証を利用できない場合や薬剤情報がまだ反映されていない場合もあるため、服用中の薬が分かるものを別に準備しておくと安心です。
マイナ保険証とお薬手帳のよくある質問
Q. マイナンバーカードがあればお薬手帳はいらないですか?
A. 完全に不要にはなりません。マイナ保険証で薬剤情報を共有できますが、市販薬、サプリメント、副作用歴、アレルギー、実際の服用状況などはお薬手帳で補う必要があります。
Q. マイナ保険証だけで薬の飲み合わせを確認できますか?
保険診療で処方された薬剤情報は確認に役立ちます。ただし、市販薬やサプリメントなどは含まれないため、使用しているものを医師・薬剤師へ伝えてください。
Q. 情報提供に同意しないと薬剤情報は見られますか?
医療機関・薬局が診療や調剤に薬剤情報を利用するには、原則として本人の同意が必要です。同意しなくても保険資格の確認はできますが、必要な服薬情報は自分で伝えましょう。
Q. お薬手帳は紙とアプリの両方を使ってもいいですか?
使用できます。ただし記録が分散すると確認しにくくなるため、主に使う手帳を決めて情報をまとめるのがおすすめです。
Q. 家族のお薬手帳も電子版で管理できますか?
家族管理機能を備えた電子版お薬手帳もあります。対応機能や本人確認方法はサービスごとに異なるため、利用前に確認してください。
まとめ:マイナ保険証とお薬手帳を併用しよう
- マイナンバーカードがあっても、お薬手帳が完全に不要になるわけではない
- マイナ保険証では、本人の同意により処方・調剤された薬剤情報を共有できる
- 市販薬、サプリメント、アレルギー、副作用歴などはお薬手帳で補う
- お薬手帳を忘れても受診・調剤はできるが、服用中の薬を正確に伝える
- 紙でも電子版でも、情報を1か所へまとめることが大切
マイナ保険証とお薬手帳には、それぞれ異なる役割があります。どちらか一方で済ませようとせず、マイナ保険証で客観的な薬剤情報を共有し、お薬手帳で個別の情報を補いましょう。

