2024年12月から、健康保険証は「マイナンバーカード」と一体化された「マイナ保険証」へと順次移行しています。
しかし、修学旅行や部活動の合宿で活用されていた「保険証のコピー」は、この新制度下では無効とされます。
その結果、急なけがや病気の際に「コピーを持参すれば安心」という従来の運用が使えず、不安を抱える保護者や学校関係者も多いです。
本記事では、マイナ保険証への理解を深め、代替資料や対応策をわかりやすく解説します。
マイナ保険証のコピーが無効な理由
・資格情報が券面に記載されない
従来の健康保険証は、被保険者番号や保険者名称などの情報が券面に印字されており、コピーで資格確認が可能でした。しかしマイナ保険証はこれらの情報を表示せず、オンライン資格確認によって初めて確認できるよう設計されています。そのため、コピーでは必要な情報が読み取れず、医療機関で受け付けてもらえません。
・緊急時の対応に支障が出る恐れ
コピーで確認できないと、医療機関では一旦「無保険扱い」、つまり全額自己負担となるケースがあります。後日、保険者に請求すれば補填される場合もありますが、大きな手間となり不安につながります 。・
修学旅行・学校行事で使える「代替書類」

以下の資料が、マイナ保険証の代用として有効です。
① 資格情報のお知らせ
加入している保険者(協会けんぽ/健保組合など)から送付されるA4サイズの書面。コピー可 。
② マイナポータルから取得した「医療保険の資格情報」PDF
パソコンやスマホで取得、または印刷して準備。
③ (マイナ保険証未登録の場合)「資格確認書」のコピー
マイナンバーカードを持っていない、または未登録の場合に発行される書面。
代替書類の入手方法と準備フロー
書類名 | 入手方法 | 備考 |
---|---|---|
資格情報のお知らせ | 健保組合や協会けんぽから郵送される | 初回は自動的に送付される場合が多い |
医療保険の資格情報(PDF) | マイナポータルにログイン→PDF取得→保存または印刷 | アプリでもブラウザでもOK |
資格確認書 | 各自治体の窓口で申請、または一部健保へ依頼 | マイナ登録者以外の方に発行される |
準備のステップ例
1.マイナポータルにログイン
2.「医療保険の資格情報」をPDF取得
3.スマホ保存 or 印刷
4.修学旅行荷物に入れる
シーン別対応の簡易チェック表
シーン | 推奨対応方法 |
---|---|
修学旅行(マイナ登録済) | 資格情報PDF or 資格情報のお知らせのコピー |
部活動などの学校行事 | 上記プラス紙媒体のバックアップ持参 |
マイナ未登録の生徒 | 資格確認書のコピーを準備 |
コピー印刷が難しい家庭 | 学校や自治体で印刷支援を依頼 |
マイナ保険証のQ&A

Q. マイナ保険証本体を持たせてもいい?
A. 紛失や盗難のリスクがあるため推奨されません。代替書類の活用が安全かつ実用的です 。
Q. 資格情報のお知らせが届かない場合、どうすれば?
A. 保険者へ問い合わせるか、マイナポータルでPDFを取得してください。届かない場合に備え、両方準備するのが安心です。
Q. PDF保存と印刷はどちらが安全?
A. 医療機関が紙媒体しか受け付けない場合もあるため、印刷したものを持参するのが確実です。
今後の制度と注意点
・従来の健康保険証、コピーも一部有効
2025年12月1日まで有効で、そのコピーも通用するケースがあります。ただし、発行済みのみ 。
・行政によるサポート体制が強化中
デジタル庁、厚労省、文科省、こども家庭庁が連携し、保護者向けリーフレットや学校への案内を実施済で、運用が進んでいます。
まとめ
- マイナ保険証のコピーは無効という事実をしっかり把握することが重要です。
- 代替書類(資格情報のお知らせ・PDF・資格確認書)を事前に準備することが、安心な旅行の鍵となります。
- 紛失リスク回避や制度の正しい理解のために、学校・保護者で協力体制を構築しましょう。
スムーズで安全な修学旅行のために、本記事を参考にぜひ代替書類をご準備ください。
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