病院や薬局のカードリーダーに「情報提供に同意しますか」と表示され、「同意しないを選ぶと受診できない?」「過去の病気を全部見られるの?」と不安になっていませんか。
結論からいうと、医療情報の提供に同意しなくても、マイナ保険証による資格確認と保険診療は受けられます。同意するかどうかで、3割・2割・1割といった自己負担割合が変わるわけでもありません。
同意すると、受診先の医師・歯科医師・薬剤師などが、過去の診療・薬剤・特定健診等の情報を確認できます。同意しない場合は、それらの情報がオンラインで共有されないため、服用中の薬や既往歴などを自分で正確に伝えることが大切です。
- マイナ保険証で同意しない場合に起こること
- 同意すると医療機関・薬局に見られる情報
- 「全て同意」と「個別に同意」の違い
- 同意が有効になる24時間と前回設定の引き継ぎ
- マイナポータルの事前同意と提供履歴の確認方法
結論|マイナ保険証で同意しなくても受診できる

情報提供への同意は任意です。「同意しない」を選んでも保険資格の確認はでき、通常どおり保険診療を受けられます。
顔認証付きカードリーダーでは、本人確認と保険資格の確認をした後、医療情報の提供について選択します。この「同意」は、マイナンバーカードを健康保険証として使うことへの同意ではなく、過去の医療情報を今回の受診先へ共有することへの同意です。
| 選択 | 保険診療 | 医療情報のオンライン共有 | 必要な対応 |
|---|---|---|---|
| 同意する | 受けられる | 同意した項目を確認できる | 画面で「全て同意」または項目別に選ぶ |
| 同意しない | 受けられる | 原則として共有されない | 薬・既往歴・健診結果などを自分で伝える |
同意の選択と保険資格の確認は別です。受付端末の不具合などで資格確認自体ができない場合も、厚生労働省が案内する別の資格確認方法を相談できます。
マイナ保険証で同意すると見られる情報

同意したからといって、マイナンバーに関係するすべての情報を病院へ見せるわけではありません。医療機関・薬局が確認できるのは、オンライン資格確認等システムで取得でき、本人が提供に同意した医療情報です。
| 情報の種類 | 主な内容 | 確認できる範囲の例 |
|---|---|---|
| 薬剤情報 | 保険診療で処方・調剤された薬の名称、時期、用量など | 2021年9月以降の過去5年分 |
| 診療情報 | 受診歴、診療実績、画像診断、処置、在宅医療などレセプト由来の情報 | 2022年6月以降の過去5年分 |
| 手術情報 | 手術、移植、輸血などの実績 | 2022年6月以降の過去5年分 |
| 特定健診等情報 | 40~74歳の特定健診、75歳以上の高齢者健診の結果 | 2020年度以降の過去5回分 |
これらは別の医療機関や薬局で記録された情報も対象になります。初めてかかる病院や、複数の医療機関から薬を処方されている場合に、重複投薬や飲み合わせ、過去の治療歴を確認しやすくなります。
診療情報は主に電子レセプトから抽出された情報です。医師が診療録へ記載した患者所見や自由記載のメモなどが、そのまますべて表示される仕組みではありません。また、税・年金・公金受取口座など、診療と関係のない情報も閲覧できません。
「全て同意」と「個別に同意」の違い

現在の顔認証付きカードリーダーでは、表示された医療情報にまとめて同意する方法と、項目ごとに選択する方法があります。画面のデザインや文言は、施設や端末メーカーによって異なる場合があります。
たとえば、複数の薬を服用していて飲み合わせを確認してほしい場合は薬剤情報だけに同意し、ほかの項目は不同意にすることも可能です。反対に、初診や救急受診などで過去の治療内容を広く確認してもらいたい場合は、全て同意する選択が役立つことがあります。
高額療養費の限度額情報は、2024年10月から顔認証付きカードリーダーでの別途同意入力を省略する運用へ変更されています。診療・薬剤・健診情報の同意画面と混同しないようにしてください。
マイナ保険証で同意しない場合に起こること

「同意しない」を選んだ場合、今回の受診先は、オンライン資格確認等システムを使って不同意にした情報を確認できません。そのため、受診できなくなるのではなく、医療情報を自分で補って伝える必要が出てきます。
- 現在飲んでいる薬の名前・用量・回数を伝える
- ほかの病院で受けている治療や検査を伝える
- 過去の手術、アレルギー、副作用歴を伝える
- 健診結果や紹介状があれば持参する
- お薬手帳や薬の写真、処方内容が分かる書類を見せる
特に、複数の病院へ通っている人、薬の種類が多い人、初めての医療機関を受診する人は、情報が不足すると重複投薬や飲み合わせの確認に時間がかかることがあります。一方、いつもの医療機関で医師が治療歴を十分把握している場合など、オンライン共有の必要性は受診状況によって異なります。
処方薬の情報がオンラインで共有されないため、お薬手帳を持参するか、服用中の薬を正確に伝えましょう。市販薬・サプリメント・実際の服用状況・過去の副作用は、同意した場合でも薬剤情報だけでは把握しきれません。
同意するか迷うときの選び方

同意するかどうかに一律の正解はありません。共有される情報と今回の受診目的を理解したうえで、必要な項目だけを選べます。迷う場合は、受付で急いで決めるのではなく、医師や薬剤師に「どの情報が診療に役立つか」を確認しても構いません。
| 状況 | 検討しやすい選択 | 理由 |
|---|---|---|
| 初めての病院・旅行先での受診 | 必要な医療情報へ同意 | 受診先が過去の治療や薬を把握しやすい |
| 複数の薬を服用している | 少なくとも薬剤情報を検討 | 重複投薬や飲み合わせの確認に役立つ |
| 健診結果を診療へ生かしたい | 特定健診等情報を検討 | 検査値や生活習慣病リスクを共有できる |
| 共有範囲を限定したい | 個別に同意 | 情報の種類ごとに同意・不同意を選べる |
| 今回は共有したくない | 同意しない | 不同意でも保険診療は受けられる |
「全て同意」を選んでも税金や年金などの情報を見られるわけではなく、「同意しない」を選んでもマイナ保険証そのものが解除されるわけではありません。情報提供の同意と、健康保険証利用登録の解除は別の手続きです。
同意は毎回必要?24時間・前回設定・事前同意

医療機関・薬局が薬剤・診療・手術・特定健診等の情報を閲覧できるのは、同意情報を登録してから24時間以内です。24時間を過ぎて再受診する場合は、原則として再び同意の確認が必要になります。
前回の選択を引き継げる場合でも、医療機関が自由にいつまでも閲覧できるという意味ではありません。情報を閲覧できる時間は同意登録後24時間で、同意状況は医療機関・薬局ごとに扱われます。別の施設を受診するときは、その施設に対する同意を確認してください。
スマホで本人確認を行った後も、顔認証付きカードリーダー側で医療情報の同意を入力します。実物カードと同様に、同意する情報を自分で選択できます。
マイナ保険証の同意に関するよくある質問

診てもらえます。情報提供への同意は任意で、不同意でも保険資格を確認できれば通常どおり保険診療を受けられます。
同意しないことだけを理由に、3割などの自己負担割合が10割へ変わることはありません。診療内容や診療報酬上の算定は医療機関によりますが、同意の有無と保険資格は別です。
次回の受付で別の選択へ変更できます。同じ受診の中で選び直したい場合は、再度マイナ保険証で資格確認を行い、同意内容を設定し直すよう受付へ相談してください。
マイナポータルの「医療保険情報の提供履歴」で、本人同意のもと医療情報が提供された状況や履歴を確認できます。
マイナ保険証の利用率は公表されていますが、同意・不同意の選択割合について、全国共通の最新公式統計は確認できません。医療機関独自の数値やアンケート結果を全国の割合として扱わないようにしましょう。
原則として本人の同意が必要です。ただし、大規模災害や救急時に本人の意思を確認できず、生命・身体を守るために閲覧が必要な場合には、例外的な閲覧機能があります。
まとめ|同意しなくても受診でき、必要な情報だけ選べる

- 情報提供に同意しなくても保険診療は受けられる
- 同意の有無で自己負担割合が変わるわけではない
- 同意すると診療・薬剤・手術・健診等の情報を共有できる
- 「全て同意」と「個別に同意」を選べる
- 医療機関が閲覧できるのは同意登録後24時間以内
- 同じ施設では前回の選択を引き継げる場合がある
- マイナポータルで事前同意と提供履歴を確認できる
情報共有に不安がある場合は、内容を理解しないまま「全て同意」を押す必要はありません。個別に同意を選び、診療に必要と思う項目だけ共有できます。反対に同意しない場合は、現在の薬、既往歴、アレルギー、副作用などを自分で医師・薬剤師へ伝えましょう。
マイナ保険証の同意は、保険証利用登録を続けるか解除するかという手続きとは別です。今回の受診でどの情報を共有するかを、自分で選ぶための仕組みとして利用してください。
デジタル庁の利用方法を確認する