「マイナ保険証と資格確認書は両方持てるのか」「病院では2つを一緒に出すのか」と迷う人は少なくありません。結論として、受診時の資格確認は通常どちらか一方で足ります。ただし、マイナ保険証を持っている人でも、受診に配慮が必要な場合などは資格確認書の交付対象になることがあります。
この記事では、「両方を持つこと」と「窓口で同時に提示すること」を分けて、交付条件、2026年8月以降の変更点、カードリーダーが使えない場合の対応まで、現在の公式情報に沿って整理します。
- マイナ保険証と資格確認書を両方持てる条件
- 医療機関・薬局でどちらを提示すればよいか
- 資格確認書と資格情報のお知らせの違い
- 2026年8月以降に注意したい制度変更
- 読み取りエラーが起きた場合の代替方法
受診時は、マイナ保険証または資格確認書のどちらか一方を提示するのが基本です。両方を同時に出しても自己負担割合が下がるなどの効果はありません。一方、マイナ保険証での受診が困難な高齢者・障害のある人などは、申請により資格確認書が交付され、結果として両方を持てる場合があります。
マイナ保険証と資格確認書は併用できる?
「併用」という言葉には、主に次の2つの意味があります。
窓口での資格確認は、通常どちらか一方で完了します。マイナ保険証を顔認証付きカードリーダーで受け付けできれば、資格確認書を追加で提示する必要はありません。資格確認書を持っている場合は、その書類だけでも保険資格を確認できます。
一方で、両方を持つことが一律に禁止されているわけではありません。厚生労働省は、マイナ保険証を持っていても、自分でカードを使って受診することが難しい配慮が必要な人などを、申請による資格確認書の交付対象として案内しています。
両方を保有していても、受診時はその場で利用できる方を選ぶのが基本です。
両方持てるのはどんな人?
マイナ保険証の利用登録がある人でも、次のような事情がある場合は、加入している医療保険者へ申請することで資格確認書が交付されることがあります。
- 高齢や障害などにより、顔認証付きカードリーダーを自分で操作することが難しい
- 介助者や施設職員など、本人以外が受診手続きを支援する必要がある
- マイナンバーカードを紛失し、再発行を待っている
- マイナンバーカードや電子証明書を更新中で、手元に有効なカードがない
- 病態の変化などにより、これまでできていたカード受付が難しくなった
配慮が必要な人については、親族などの法定代理人や介助者による代理申請も可能です。一度申請によって資格確認書が交付された配慮対象者は、更新時の申請が不要とされる仕組みもあります。
ただし、「万一に備えて予備が欲しい」という理由だけで、すべての保険者が資格確認書を交付するわけではありません。交付要件や申請書は、協会けんぽ、健康保険組合、市区町村国保、後期高齢者医療広域連合など、加入先へ確認してください。
ただし、配慮が必要な人の資格確認書申請と、利用登録そのものの解除は別の手続きです。詳しくはマイナ保険証の登録解除方法をご確認ください。
2026年8月以降に変わったポイント
2026年8月時点では、従来の健康保険証を前提にした説明は使えません。受診時の基本は、マイナ保険証または有効な資格確認書です。
| 時期 | 変更内容 |
|---|---|
| 2025年12月1日 | 発行済みを含む従来の健康保険証の有効期限が終了 |
| 2026年7月31日 | 期限切れの従来保険証を持参した場合の暫定的な窓口対応が終了 |
| 2026年7月末 | 後期高齢者医療制度で、マイナ保険証の有無にかかわらず資格確認書を一律交付する暫定措置が終了 |
| 2026年8月以降 | マイナ保険証の保有状況、年齢、利用状況、配慮の必要性などに応じた交付へ移行。詳細は加入先の広域連合などで確認 |
特に後期高齢者医療制度では、2026年8月以降の資格確認書の交付基準を各広域連合が案内しています。年齢などにより申請不要で交付される場合もありますが、全国の読者へ一律に「全員へ届く」「マイナ保険証があれば届かない」と断定することはできません。
手元に資格確認書が届いた場合は、券面の有効期限と保険者名を確認してください。資格確認書の有効期限は5年以内で、保険者が設定します。
資格確認書・資格情報のお知らせの違い
名称が似ていますが、「資格確認書」と「資格情報のお知らせ」は使い方が異なります。
| 種類 | 単独で受診 | 主な使い方 |
|---|---|---|
| マイナ保険証 | できる | 対応するカードリーダーでオンライン資格確認を行う |
| 資格確認書 | できる | 従来の保険証と同じように窓口へ提示する |
| 資格情報のお知らせ | 原則できない | マイナンバーカードと一緒に提示し、読み取り不良時などの資格確認を補助する |
| マイナポータルの資格情報画面・PDF | 単独ではなくカードと組み合わせる | マイナンバーカードと一緒に窓口へ提示する |
資格情報のお知らせは、マイナ保険証を持つ人が自分の保険資格を確認するために交付される書類です。カードリーダーの不具合などで受付できないときは、マイナンバーカードと一緒に提示します。資格情報のお知らせだけを持って行っても、原則として保険診療の資格確認には使えません。
病院・薬局ではどちらを提示する?
両方を持っている場合も、受付では状況に合う方を選びます。
資格確認書で受診しても、有効な保険資格を確認できれば、記載された自己負担割合で保険診療を受けられます。ただし、マイナ保険証による過去の診療・薬剤情報の共有などは利用できません。
なお、子ども医療費助成、障害者医療証、指定難病受給者証などは、自治体や医療機関のデジタル対応状況によって別途提示が必要です。「マイナ保険証と資格確認書を両方出す話」と、公費負担医療の受給者証を追加で出す話は分けて考えましょう。
マイナ保険証が使えないときの対処
カードリーダーの故障や通信障害でマイナ保険証を読み取れなくても、すぐに資格確認書を申請しなければ受診できないわけではありません。受付へエラーを伝え、次の代替方法を確認します。
- マイナンバーカードと、マイナポータルの健康保険資格情報画面を提示する
- マイナンバーカードと、ダウンロード済みの資格情報PDFを提示する
- マイナンバーカードと、資格情報のお知らせを提示する
- 資格確認書を持っている場合は、資格確認書を提示する
- どれも提示できない場合は、再診なら医療機関が把握する情報、初診なら被保険者資格申立書などで確認してもらう
転職・退職・扶養変更の直後は、オンライン資格確認システムへ新しい情報がまだ反映されていないこともあります。この場合は、現在加入している保険者や勤務先へ資格取得手続きの状況を確認してください。
マイナンバーカードと一緒に提示します。詳しい受付対応は、マイナ保険証が使えない病院での対処法で確認できます。
資格確認書を申請・確認する手順
マイナ保険証を持っている人が資格確認書を希望する場合は、市区町村のマイナンバーカード窓口ではなく、加入している医療保険者へ確認するのが基本です。
- 加入先を確認する
協会けんぽ、勤務先の健康保険組合、市区町村国保、後期高齢者医療広域連合などを確認します。 - 交付対象になるか問い合わせる
カード受付が難しい理由、紛失・更新中などの状況を具体的に伝えます。 - 申請書を提出する
本人のほか、法定代理人や介助者が代理申請できる場合があります。 - 資格確認書を受け取る
氏名、保険者名、自己負担割合、有効期限に誤りがないか確認します。 - 更新方法を確認する
配慮が必要な人は更新時の再申請が不要になる場合がありますが、保険者の案内を保管します。
マイナ保険証を持っていない人や利用登録をしていない人には、当分の間、資格確認書が原則として無償・申請不要で交付されます。届く時期や送付方法は保険者ごとに異なるため、詳しくは資格確認書はいつ届くかも参考にしてください。
マイナ保険証と資格確認書の併用FAQ
- マイナ保険証と資格確認書を両方持っていても違反になりませんか?
- 資格確認書の正規の交付対象として受け取った場合、両方を持っていること自体が問題になるわけではありません。受診時は通常、どちらか一方を利用します。
- 病院で2つを同時に提示した方が確実ですか?
- 通常は必要ありません。マイナ保険証で資格確認できればそれだけで受付できます。資格確認書も単独で利用できます。
- 資格確認書が届いたら、マイナ保険証の登録は解除されていますか?
- 資格確認書が届いただけでは判断できません。配慮が必要な人や年齢区分など、登録解除以外の理由で交付される場合があります。マイナ保険証の登録状況を確認する方法に沿って、マイナポータルで確認してください。
- 資格情報のお知らせを資格確認書の代わりに使えますか?
- 単独では使えません。マイナンバーカードと一緒に提示します。資格確認書は単独で資格確認に使えます。
- 資格確認書で受診すると医療費が高くなりますか?
- 有効な資格確認書を提示すれば、記載された自己負担割合で保険診療を受けられます。ただし、マイナ保険証の情報連携機能は利用できません。
- 資格確認書に手数料はかかりますか?
- 資格確認書は原則として無償で交付されます。具体的な交付条件や手続きは加入先の医療保険者へ確認してください。
まとめ|両方持てる条件を確認して使い分ける
- 受診時は、マイナ保険証または資格確認書のどちらか一方を提示するのが基本
- 高齢・障害などでカード受付が難しい人は、申請により資格確認書が交付される場合がある
- 両方を保有できても、窓口で2つを同時に使う必要は通常ない
- 資格情報のお知らせは単独では使わず、マイナンバーカードと一緒に提示する
- 2026年8月以降、従来の健康保険証は利用せず、マイナ保険証か有効な資格確認書を準備する
迷ったときは、「利用登録を解除すべきか」から考えるのではなく、まず加入している医療保険者へ、資格確認書の交付対象になるかを確認しましょう。交付を受けた後は、有効期限を確かめ、受診状況に合う方を使い分ければ問題ありません。

