「マイナンバーカードと保険証を紐付けしないと、病院にかかれないのでは?」と不安に感じていませんか。
結論からいうと、健康保険証の利用登録をしなくても、資格確認書を提示すれば、これまで通りの自己負担割合で保険診療を受けられます。紐付けをしないこと自体への罰金や罰則もありません。
ただし、従来の健康保険証はすべて有効期限を終えており、2026年7月31日で期限切れ保険証を使える暫定対応も終了しました。現在は「マイナ保険証」または「資格確認書」のどちらかを準備する必要があります。
この記事では、2026年8月時点の厚生労働省の案内をもとに、紐付けしない場合の受診方法、資格確認書と資格情報のお知らせの違い、利用登録のメリット、転職・期限切れ・解除時の注意点を整理します。
- 紐付けしなくても健康保険の資格は失われず、保険診療を受けられる
- 未登録の人には、原則として資格確認書が無償・申請不要で交付される
- 資格確認書は単独で使えるが、資格情報のお知らせは単独では使えない
- 紐付け済みでも、転職・退職時の健康保険加入手続きは必要
- 利用登録は後からでき、登録後も加入中の保険者へ申請して解除できる
- 保険証を紐付けしない場合に起きること
- 資格確認書が届く人と使い方
- 資格情報のお知らせとの見分け方
- 紐付けするメリットと、しない場合の注意点
- 利用登録・登録状況の確認・解除の方法
結論|紐付けしなくても資格確認書で受診できる
マイナンバーカードを持っていない人や、持っていても健康保険証の利用登録をしていない人は、加入先の保険者から交付される資格確認書を医療機関・薬局の窓口に提示します。
資格確認書には、氏名、生年月日、被保険者記号・番号、保険者情報、有効期限など、受診に必要な資格情報が記載されています。従来の保険証と同じように窓口へ提示すれば、保険資格を確認してもらえます。
| 現在の状態 | 医療機関・薬局で提示するもの | 受診できるか |
|---|---|---|
| 利用登録済み | マイナ保険証 | 保険診療を受けられる |
| カードなし・利用登録なし | 有効な資格確認書 | 保険診療を受けられる |
| カードリーダーの故障など | マイナンバーカード+マイナポータルの資格情報画面、または資格情報のお知らせ | 通常の自己負担割合で受診できる |
| 期限切れの従来の健康保険証のみ | 現在は資格確認に使えない | 受付へ相談し、別の方法で資格確認が必要 |
「紐付けしない=無保険」ではありません。健康保険への加入と、マイナンバーカードの健康保険証利用登録は別の手続きです。会社の健康保険や国民健康保険などへ正しく加入していれば、利用登録をしていないだけで資格を失うことはありません。
従来の健康保険証はもう使えない
従来の健康保険証は2024年12月2日から新規発行されなくなり、発行済みの保険証も2025年12月1日までにすべて有効期限が満了しました。
期限切れに気付かず持参した人向けの暫定対応も2026年7月31日で終了しています。2026年8月以降は、古い健康保険証を保管したままにせず、手元のマイナ保険証または資格確認書の有効性を確認しておきましょう。
資格確認書が届かない場合は加入先へ確認する
利用登録をしていない人への資格確認書は、原則として申請不要・無償で交付されます。ただし、発送時期や形、大きさ、有効期限は保険者によって異なります。
届かない、紛失した、記載内容が違う、有効期限が迫っている場合は、勤務先の健康保険組合、協会けんぽ、市区町村国保、後期高齢者医療広域連合など、現在加入している保険者へ問い合わせてください。
マイナンバーカードと保険証を紐付けしないとどうなる?
紐付けをしない場合でも受診はできますが、マイナ保険証だけで利用できる一部の機能は使えません。何が変わり、何が変わらないのかを分けて考えることが大切です。
変わらないこと|保険資格と自己負担割合
- 健康保険に加入している事実
- 年齢や所得などに応じた医療費の自己負担割合
- 保険診療を受ける権利
- 高額療養費制度そのものを利用する権利
紐付けをしないことだけを理由に、保険料が高くなったり、健康保険から外されたり、保険診療を拒否されたりする仕組みではありません。
変わること|資格確認書を管理して提示する
未登録の場合は、マイナンバーカードの代わりに資格確認書を持参します。資格確認書の有効期限は保険者が5年以内で設定するため、期限と更新時期を確認しておく必要があります。
資格確認書を忘れると、その場で資格を確認できず、医療機関の判断によりいったん医療費の全額を支払うことがあります。後日、資格を確認できれば精算や療養費申請の対象になることがありますが、手続きは医療機関・保険者へ確認してください。
使えない機能|医療情報の共有やオンラインの限度額確認
マイナ保険証を利用すると、本人が同意した場合に限り、医師・薬剤師が過去の薬剤情報、診療情報、健診情報などを確認できます。資格確認書で受診する場合、この仕組みによる情報共有は利用できません。
また、マイナ保険証でオンライン資格確認を行うと、原則として限度額適用認定証を別に申請・提示しなくても、同一月・同一医療機関の窓口支払いを自己負担限度額までに抑えられます。資格確認書を使う場合は、加入先へ従来の認定・手続きが必要か確認しましょう。
医療情報の提供同意は、健康保険証の利用登録とは別です。マイナ保険証を使う場合でも、受付時に情報提供へ同意しない選択ができます。同意しなくても資格確認は行われ、保険診療を受けられます。
マイナンバーカードを作らない選択もできる
マイナンバーカードの取得は任意です。カードを作らない人も、有効な資格確認書があれば保険診療を受けられます。カードを持たない場合の受診方法は「マイナ保険証を作りたくない人の医療機関受診方法」でも整理しています。
資格確認書と資格情報のお知らせの違い
名前が似ていますが、資格確認書と資格情報のお知らせは用途が異なります。特に重要なのは、単独で受診に使えるかどうかです。
| 比較項目 | 資格確認書 | 資格情報のお知らせ |
|---|---|---|
| 主な交付対象 | 有効なマイナ保険証を持っていない人、利用登録していない人など | マイナ保険証を持っている人 |
| 主な目的 | 保険資格を窓口で確認する | 自分の資格情報を把握し、機器トラブル時の確認を補助する |
| 単独で受診に使えるか | 使える | 使えない |
| 窓口での提示方法 | 資格確認書だけを提示 | マイナンバーカードと一緒に提示 |
| 申請 | 未登録者などは原則不要。配慮が必要な人などは申請で交付される場合がある | 原則として保険者から申請なしで交付 |
| 様式・期限 | 保険者により異なり、有効期限は5年以内 | 保険者により異なる |
紙に「資格情報のお知らせ」と書かれている場合、その紙だけを持って行っても保険診療の資格確認には使えません。必ずマイナンバーカードと一緒に提示します。手元の書類名を確認してください。
カードリーダーが故障したときの提示方法
マイナ保険証の読み取りができない場合は、次のいずれかを窓口へ提示します。
- マイナンバーカード+マイナポータルの資格情報画面
- マイナンバーカード+ダウンロード済みの資格情報PDF
- マイナンバーカード+紙の資格情報のお知らせ
どれも提示できない場合でも、再診で医療機関が資格情報を把握していれば口頭確認、初診では「被保険者資格申立書」を記入する方法が案内されています。まず受付で状況を伝えましょう。
高齢者や障害のある人は資格確認書を申請できる
マイナ保険証を持っていても、カードリーダーの操作が難しい高齢者や障害のある人など、受診時に配慮が必要な人は、保険者へ申請して資格確認書の交付を受けられます。親族などの法定代理人や介助者による代理申請も可能です。
病態の変化でカードリーダーを使いにくくなった場合も、加入中の保険者へ相談してください。
紐付けするメリットと、しない場合の注意点
利用登録をするかどうかは、受診の頻度、カードを持ち歩くことへの考え方、医療情報共有を利用したいかなどを踏まえて決められます。どちらを選んでも、必要な資格確認手段を持っていれば保険診療を受けられます。
紐付けする主なメリット
- オンラインで最新の保険資格を確認できる
- 同意すれば薬剤・診療・健診情報を共有できる
- 限度額適用認定証の事前申請を省ける場合がある
- マイナポータルで医療費通知情報などを確認できる
- 転職後も同じカードを使える
紐付けしない場合の注意点
- 資格確認書の有効期限と更新を管理する
- 受診時に資格確認書を忘れず持参する
- オンラインの医療情報共有は使えない
- 高額療養費の従来手続きが必要か確認する
- 転職時は新しい資格確認書の交付状況を確認する
転職しても再度の利用登録は不要だが、加入手続きは必要
利用登録済みの人が転職・退職・引っ越しで保険者を変更しても、マイナ保険証の利用登録をやり直す必要はありません。ただし、新しい勤務先や市区町村などで健康保険の加入・異動手続きを行う必要があります。
保険者が新しい資格情報をシステムへ登録し、反映されるまでには一定の時間がかかります。「マイナ保険証なら転職した当日から必ず使える」という意味ではありません。受診予定がある場合は、マイナポータルで資格情報を確認するか、新しい保険者へ相談してください。
詳しい確認点は「会社が変わったらマイナ保険証はどうなる?」も参考にしてください。
カードのICチップに詳しい医療情報が入るわけではない
マイナンバーカードのICチップに、診療歴、薬剤情報、税、年金などのプライバシー性の高い情報が直接保存されているわけではありません。医療機関が確認できるのは保険資格情報と、本人が提供に同意した範囲の医療情報です。
情報提供に同意するか迷う場合は「マイナ保険証で病院に何がわかる?」で、閲覧できる情報の範囲も確認しておきましょう。
スマートフォンのマイナ保険証は対応施設を確認する
2025年9月19日から、機器の準備が整った医療機関・薬局でスマートフォンのマイナ保険証を順次利用できるようになっています。すべての施設が対応済みではないため、実物のカードを置き換えられるかは事前確認が必要です。
準備と受付方法は「マイナ保険証をスマホで使う方法」で解説しています。
保険証の利用登録方法と解除方法
利用登録は、マイナンバーカードを受け取った後でいつでも行えます。主な登録方法は3つです。
- 医療機関・薬局の顔認証付きカードリーダー
受付時にマイナンバーカードを置き、画面で利用登録を選びます。受診する当日に登録することもできます。 - マイナポータル
対応スマートフォンなどでマイナポータルへログインし、健康保険証の利用登録画面から手続きします。 - セブン銀行ATM
ATMの「各種お手続き」からマイナンバーカードの健康保険証利用申込みを選び、画面に沿って操作します。
利用登録の詳しい操作は「マイナ保険証の紐付けやり方と確認方法」も参考にしてください。登録状況は、マイナポータルの「健康保険証」画面で確認できます。
顔認証付きカードリーダーで登録するときも、利用登録と医療情報の提供同意は別の操作です。登録したからといって、以後すべての医療情報が自動的に共有されるわけではありません。
利用登録を解除する方法
健康保険証の利用登録は、現在加入している医療保険者へ申請すれば解除できます。具体的な申請書、提出方法、解除までの期間は保険者によって異なるため、勤務先の健康保険組合、協会けんぽ、市区町村などへ問い合わせてください。
解除後は資格確認書が交付されます。解除がシステムへ反映される前に受診予定がある場合は、利用できる資格確認方法を保険者へ確認しましょう。
一般的な解除手続きは、マイナポータル上の操作だけでは完了しません。加入中の保険者への申請が必要です。解除後に希望が変わった場合は、再度利用登録することもできます。
登録するか迷ったときの判断基準
| 重視すること | 考え方 |
|---|---|
| 受付や高額療養費の手続きを簡単にしたい | マイナ保険証が向いている |
| 同意した医療情報を診療に活用したい | マイナ保険証が向いている |
| カードを医療機関へ持参したくない | 資格確認書での受診を検討する |
| カードリーダーの操作が難しい | 保険者へ資格確認書の申請を相談する |
| まだ決められない | 資格確認書で受診し、必要になった時点で後から登録できる |
よくある質問|転職・期限切れ・受診トラブル
有効な資格確認書を提示すれば、通常の自己負担割合で保険診療を受けられます。資格確認書を忘れ、その場で保険資格を確認できないと、一時的に全額支払いとなる場合があります。
有効なマイナンバーカードがない人や、健康保険証の利用登録をしていない人などには、原則として申請不要・無償で交付されます。紛失時や、配慮が必要な人の申請などは加入中の保険者へ確認してください。
利用登録のやり直しは不要です。ただし、新しい保険者への加入・異動手続きは必要で、資格情報の反映には一定の期間がかかります。古い保険資格のまま受診せず、マイナポータルまたは新しい保険者で現在の資格を確認してください。
実物のマイナンバーカードは、電子証明書の有効期限満了日が属する月の末日から3か月間、健康保険証として利用できる措置があります。この期間は保険資格情報だけが共有され、診療・薬剤情報などは提供できません。早めに住民登録のある市区町村窓口で電子証明書を更新してください。
顔認証付きカードリーダーの顔認証、または窓口職員による顔写真の目視確認で本人確認できるため、暗証番号がロックされていてもマイナ保険証として利用できます。ロック解除は市区町村窓口などで行います。
マイナンバーカードと、マイナポータルの資格情報画面または資格情報のお知らせを一緒に提示します。どちらもない場合は、受付へ伝えてください。再診時の口頭確認や、初診時の被保険者資格申立書による確認方法があります。
使えません。従来の健康保険証は2025年12月1日までにすべて有効期限を終え、期限切れ保険証を利用可能とする暫定対応も2026年7月31日で終了しました。マイナ保険証か資格確認書を準備してください。
- 保険証を紐付けしなくても、資格確認書で保険診療を受けられる
- 利用登録していない人の資格確認書は、原則として無償・申請不要
- 資格情報のお知らせは単独では使えず、マイナンバーカードと一緒に提示する
- マイナ保険証には医療情報共有や限度額確認などの利便性があるが、利用は強制ではない
- 転職時は再登録不要でも、新しい健康保険への加入手続きと情報反映が必要
- 登録後の解除は、加入中の保険者へ申請する
迷っている段階では、まず資格確認書の有効期限と加入先の連絡先を確認しておけば、急な受診にも備えられます。必要性を感じた時点で、後から利用登録することも可能です。
